コラム

中小企業がすべき「パワハラ防止策」について

令和2年6月パワーハラスメント防止措置を講じることが義務化されました。

中小企業についても、1年10ヵ月間の努力義務期間を経て、来年の4月1日から義務化されます。

パワハラに対する社会の見方は厳しさを増しています。一方、現場の管理職では、パワハラと言われることを恐れ、注意指導が出来なくなっているという話も聞きます。

来年3月末までに、中小企業がすべき「パワハラ防止策」を解説していきます。

職場におけるパワーハラスメントの定義

  1. 優越的な関係を背景とした言動であって
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
  3. 労働者の就業環境が害される

1から3までの要素をすべて満たすものを職場のパワーハラスメントと定義しています。

職場のパワーハラスメント 6つの類型

  1. 身体的な攻撃(暴行・障害など)
  2. 精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言など)
  3. 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し)
  4. 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
  5. 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
  6. 個の妨害(私的なことに過度に立ち入ること)

※この類型は、パワーハラスメントにあたる行為のすべてを羅列しているものでなく、これ以外は問題ないということではありません。

客観的に見て業務上必要な指示、命令、適正な範囲の注意、叱責、指導はパワーハラスメントに該当しないとされています。

業務上必要かどうか判断に迷うケースもあります。

会社の人事担当者は、厚生労働省のホームページ「あかるい職場応援団」を参考にしてください。

事業主が雇用管理上講ずべき措置

  1. 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
  2. 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  3. 職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
  4. 併せて講ずべき措置(プライバシー保護、不利益取扱いの禁止等)

具体的な取り組みとしては、ホームページなどで「パワハラは許さない」と宣言する社内報などでチラシを配布する社内パワハラ研修を行う、などが考えられます。

相談窓口(パワハラの被害者等が相談する相談先)をあらかじめ定め、社員に周知することも重要です。

相談窓口は、社内に設置する場合、社外に設置する場合、社内と社外の双方に設置する場合が考えられます。

プライバシー保護不利益取扱いの禁止パワハラが職場で起こってしまった場合の対応の整備(対応マニュアルやフローチャート)も必要です。

就業規則の改定やパワハラ防止規定を作成し、周知、啓発するとよいでしょう。

▼パワーハラスメントの相談フロー

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