コラム

「算定基礎届」よくある質問

算定基礎届についてのよくある質問をまとめました。

ご参考になれば幸いです。

算定基礎届と月額変更届(7月・8月・9月改定分)では、 どちらが優先されますか?
7月、8月又は9月の随時改定に該当する被保険者は、随時改定(月額変更届)により決定された標準報酬月額が優先されます。該当者は算定基礎届の提出は省略することができ、月額変更届の提出が必要です。
算定基礎届の届出省略の申出をした者(8月・9月改定予定者)が、8月又は9月の随時改定の要件に該当しないことが判明しました。どうすればよいでしょうか?
算定基礎届が必要です。速やかに提出しましょう。提出期限を過ぎていても、省略の要件に該当しないことが判明した時点で、作成・提出してください。
算定の対象となる期間(4・5・6月)中に被保険者が70歳になった場合、備考欄はどう記載したらよいですか?
70歳以上被用者は、備考欄の「1.70歳以上被用者算定」を〇で囲みます。 厚生年金の被保険者は70歳未満なので、算定期間中に70歳に到達した場合、健康保険と厚生年金保険の算定基礎月が異なることになります。その場合は70歳以上被用者にかかる算定基礎月(70歳以降の月)をカッコ内に記入してください。
二つの会社に勤務する従業員の算定基礎届はどのように提出したらよいですか?
同時に二か所以上の事業所に勤務する被保険者の標準報酬月額は、それぞれの事業所から支払われる報酬を合算のうえ決定されます。 二カ所以上勤務者の算定基礎届は、通常送付の算定基礎届(事務センターから送付分)とは別に年金事務所から送付されます。送付された算定基礎届は、被保険者が選択した事業所を管轄する年金事務所へ提出します。 二か所以上勤務者については、通常送付の算定基礎届へは記載しません。
月の途中に被保険者区分の変更があった場合、算定対象月はどのように判断しますか?
変更があった月の報酬の給与計算期間の末日における被保険者区分に応じた支払基礎日数の基準(17日、15日、11日)により、その月が算定の対象月となるかならないかを判断します。
夜勤労働者で日をまたいで勤務をする者の支払基礎日数はどのようになりますか?

支払い基礎日数は次の通りです。

月給者各月の暦日数

日給者:給与支払の基礎となる出勤回数 (変形労働時間制の場合は、③に準じて扱います。)

時給者各月の総労働時間を事業所の所定労働時間で割った日数

6月に支払うべき給与を7月に支払う予定です。算定基礎届はどのように記入したらよいでしょうか?
算定対象期間に遅配して支払われる給与がある場合は、給与の遅配がある月を除いた算定対象月の報酬月額の平均額に基づいて標準報酬月額を決定します。算定基礎届には、「⑭総計」欄から給与の遅配のある月(このケースは 6月)の報酬月額を除いた金額で計算した平均額を「⑯修正平均額」欄に記入、「⑱ 備考」欄の「9.その他」に○をし、カッコ内に「給与の遅配がある月」と「遅配日数」を記入します。
今年は業績が良く4回目の賞与を支給しましたが、過去3回分は賞与支払届を提出して保険料を支払いました。 算定基礎届はどのように記入すべきでしょうか?

就業規則や賃金規定により、年4回以上の賞与の支給が定められている場合は、この賞与を報酬に含めて報酬月額を算出します。この場合、7月1日より前の1年間に受けた4回以上の賞与の合計額を12で割った額を各月の報酬月額に算入し、標準報酬月額を算定することになります。 ただし、年4回以上の賞与がその年に限り支給されたことが明らかな場合(翌年以降の支給は未定)は、年間の賞与支給回数に含めないこととなるので、その場合は各月の報酬月額には算入せず、「賞与支払届」による届出をします。

給与の締日を変更しました。変更月の支払基礎日数が通常の月よりも増えた(減った)のですが、報酬月額はどうなりますか?

支払基礎日数が増えた場合 :締日変更により超過した分の報酬を除いた上で、その他の月の報酬との平均額を算出し、標準報酬月額を決定します。

 例)給与締日が20日から25日に変更 → 締日を変更した月のみ給与計算期間が前月21日~当月25 日となるため、前月21日~ 前月25 日の給与は除き、締日変更後の給与計算期間(前月26 日~当 月25 日)で計算した報酬をその月の報酬とします。そのうえで、その他の月の報酬との平均額を割り出します。

支払基礎日数が減った場合 :支払基礎日数が減少した場合でも、支払基礎日数がすべて17日以上であれば、通常と同様に標準報酬月額を算定します。また、支払基礎日数が17日未満となった場合は、その月を除外して報酬の平均額を算出し、標準報酬月額を決定します。

勤務地がA県、社宅がB県にあります。現物給与の価額はどちらの県の価額で計算すればよいでしょう?
現物給与の額は、被保険者の人事、労務および給与を管理する事業所が所在する地域の価額で算定しますので、勤務地であるA県の価額で計算します。
超過勤務手当の支給単価(支給割合)が変更された場合は、随時改定の対象となるのでしょうか?
超過勤務手当については、個々人や月々の稼働状況によって時間数が不確定であるため、単に時間の増減があった場合は随時改定の対象とはなりませんが、 支給単価(支給割合)が変更となった場合は随時改定の対象となります
時間外手当の支払額の変動は固定的賃金の変動ではなく、月額変更(随時改定)の要件には該当しませんが、今回の法改正に伴う割増率の変更は、支給単価の変更となり、月額変更(随時改定)の対象となりますので、注意が必要です。
具体的には、「対象となる3ヵ月のうち1カ月でも60時間超の割増賃金が支給」され、「変動前の標準報酬月額との間に2等級以上の差」及び「各月の支払い基礎日数が17日以上」ある場合、月額変更届(随時改定)の対象となります。

算定基礎届は一般的なケース(支払基礎日数すべて17日以上)であれば比較的容易に作成できます。

しかし、4・5・6月の間に正社員とパートタイマー、短時間労働者の区分が混在していたり、3月以前の昇給差額分遅配分が支払われた場合など、例外的なケースには十分注意が必要です。

健保組合に加入する企業は、年金事務所への届出とは別個に届け出をする必要があります。

今年の提出期間は、7月 1 日(土)から7月10日(月)です

提出期限に遅れないよう、早めに余裕をもって準備しましょう。

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