第4回 パワーハラスメントについて ~対応~
パワハラ解説コラム最終回です!
前回は会社の持つ責任と対応の大切さ、問題を起こさない・もしくは認識した問題を拡大しないための予防の必要性を述べました。
今回は、実際にパワハラ問題が起こってしまった場合の対応について、
具体的な対応をみていきたいと思います。
ファーストコンタクトが大切
令和2年度に行われた「職場のハラスメントに関する実態調査」によると…
パワハラに該当すると判断した事例があった事案の内容として、
精神的な攻撃が74.5%で最も高く、
次に人間関係からの切り離し20.6%、過大な要求16.9%とつづきました。
どの内容も他者からは中々気づき辛く、本人が一人で抱え込んでしまうことになり易いと言えます。
そのため部下や同僚に不調な様子があれば、個別に声かけしてあげると良いかもしれません。本人が自発的に相談することはハードルが高くても、こちらからファーストコンタクトをとることで相談のハードルがぐっと下がることがあります。
次にパワハラ問題の発覚について、本人の自発的な行動や前述した声かけにより悩んでいる本人からパワハラ問題を打ち明けられたとします。
実際にそのような事態が起こった場合どのような対応が求められるでしょうか。
相談者の話を真摯に受け止めましょう
まずは相談者の気持ちを尊重することを心掛け、相手の話を真摯に受け止め傾聴するようにしましょう。またその際に明らかに精神や体調に不調があるようであれば専門医の受診を勧めることも必要です。
受診するほどではない、まだまだ大丈夫と本人が感じていても他者から促されることでそういえば最近あまり眠れていないからその相談だけでもしてみようかな、等受診のきっかけになるかもしれません。特に精神の不調は目に見えないため、受診の勧奨は深刻化の防止にも繋がります。
二次的な被害に注意
次に大切なことは相談者に二次的な被害が及ばないことをしっかりと伝えることです。
令和2年度に行われた「職場のハラスメントに関する実態調査」によるとパワハラを受けた後の行動は何もしなかったの割合が最も高いという結果になっています。
その理由としては何をしても解決にならないと思ったから・職務上不利益が生じると思ったからと続いています。
労働施策総合推進法第30条の2 第2項において「労働者が相談等をおこなったこと又は当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として当該労働者に対して解雇そのた不利益な取り扱いをしてはならない」と定められています。その旨を労働者にも周知した上で絶対に秘密が守られること・不利益な取り扱いをされないことを伝えることで労働者の不安を少し取り除くことができるかもしれません。
またセカンドハラスメント※1にも十分に気を付け話を聞くようにしましょう。
※1ハラスメントを受けた人が被害について相談したことで嫌がらせを受けたり責められたりして二次被害にあうこと
事実確認の進め方
ここまで、被害にあった労働者からの相談についてお話しました。相談内容をまとめ、精査した後は事実確認にすすみましょう。所謂ヒアリングは相談者だけでなく行為者とされた者・周りの第三者にも行うことが求められます。ここでも、前述した二次被害が起こらないことを相談者に保証し慎重にすすめることが大切です。
また、相談者からの話がどのようなものであっても、行為者とされた者を行為者と断定して話を進めないことに十分注意してください。相談者からの話のみで行為者と断定し話を進めてしまうと、会社が逆に訴えられてしまう可能性もあります。
あくまで行為者とされた者、として十分な弁明の機会を確保しましょう。
また行為者とされた者からのヒアリングの際は必ず2名以上で行い、記録をとり、ヒアリングの最後に記録内容を復唱し行為者に内容の確認を行ってください。
まとめ
このようにパワハラ被害の相談を受ける際・パワハラが発覚した際の対応等、すべての段階において気を付けなければならないこと・伝えなければならないことがあります。
ヒアリングの際聴取しなければならない内容は何か?誰が対応するのか?事実確認が終了したあとどうすれば良いのか?
やっぱりパワハラが発生する前にできる防止策が知りたい、方針の明確化ってつまりどうすればいいのか?どうしたら従業員にもしっかり理解してもらえるだろうか?
いろいろな疑問が浮かび今後が不安になるかと思います。
パワーハラスメントの防止は事業主や管理職、どの立場の誰であっても一人の知識や心がけで解決されるものではありません。組織全体として正しい防止策を行うことが必要となります。
ぜひclovicに皆さんの快適な職場環境を作り上げていくお手伝いをさせてください。
するべきことや出来る取り組みについて、
それぞれの業種や会社に合わせた具体的な対策をご提案いたします。